Apneic oxygenation(無呼吸下の酸素化)

以下に、『Apneic oxygenation』について、分かりやすいサイトをご紹介させて頂きます。

http://www.emalliance.org/education/recommend/dissertation/2015814-journal

『Apneic oxygenationとは、挿管の際、自発呼吸が消失し、、、無呼吸になった患者に対して行う経鼻的酸素投与、、、のことです。簡単に言うと、実際の挿管手技中、、、にも経鼻から送り込んだ酸素により血液の酸素化を行う手技のことです。』

『最近の報告では下咽頭・咽頭喉頭の予定手術を行うdifficult airwayの25 人に対して挿管中にOptiFlow nasal cannula で70 l/minで10分間酸素投与したところSpO2>90%が維持できたというstudy(文献*1)や重症の呼吸不全(15L/minでノンリザーバーマスクで酸素投与してもSpO295%以下と定義)を除いたICU患者に対する挿管の際、HFNC群とHFFM群とで最低SpO2値を比較するとHFNC群で有意に最低SpO2の平均値が高かった(HFNC群:100% (95–100) HFFM群:94% (83–98.5) (p < 0.0001)というstudyです(文献*2)があります。』

文献1) Anaesthesia. 2015 Mar

Transnasal Humidified Rapid-Insufflation Ventilatory Exchange (THRIVE): a physiological method of increasing apnoea time in patients with difficult airways.

文献2) Crit Care Med. 2015 Mar

Use of high-flow nasal cannula oxygen therapy to prevent desaturation during tracheal intubation of intensive care patients with mild-to-moderate hypoxemia.

 

さらに

『重症度の高い呼吸不全患者に対するNHFCによるApneic oxygenationについての研究です 』

Intensive Care Med. 2015 Apr 14

High-flow nasal cannula oxygen during endotracheal intubation in hypoxemic patients

2012年から2013年にフランスの6施設のICUで試行されたRCTです。』

『P/F ratio<300の患者群の挿管時に、NHFC( 60L/min : FiO2 100% )4分間で前酸素化+Apneic oxygenation した群、 あるいは HFFM(high flow face mask(15L/min)4分間 で前酸素化した群、どちらが気管挿管時のSpO2が下がるかという研究です。

primary outcomeである気管挿管中のSpO2 はHFNC群が91.5% HFFM群が89.5%と有意差はありませんでした。

NHFCの利点としてPEEPがかかること、low flow oxygen device (普段使いの鼻カニュラやフェイスマスク等) と比較しP/F比と呼気終末のlung volumeを改善すること、酸素化を中断することなく挿管できることなどから、NHFCの方が有用かと思われていましたが、本研究ではHFFMとの間に有意差なしとの結果になりました。対象患者のP/F ratioが120程度と重症呼吸不全であること、原因疾患の多くが肺炎であること、NHFCでかけられるPEEPに限界があることが原因ではないか、と筆者はコメントしています。』

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